セルフネイルをしているとよく耳にする「ファイル」という用語。爪を削る時に使う「やすり」のことなのですが、セルフネイルを初めてされる方やネイル初心者さんには聞き慣れない用語だと思います。
100円ショップのネイルコーナーやネットショップでファイルを探してみると何種類もあってなんだかどれも微妙に違う…どれを選べばいいのか分かりづらいですよね。
一言でファイルとは言いますがファイルには種類がたくさんあり、大きく分けると4つに分類され、それぞれ使い道も全く違います。
また、グリット数と呼ばれる数字も出てきたたりとややこしいですが、ファイル選びはとっても重要!
こちらのページでは意外と知られていない下準備やお手入れ方法なども合わせてファイルについて簡単にまとめてあります。一度読めばもうファイル選びに悩むことはなくなりますよ!
ファイルとは
- 自爪や人工爪の長さや形を整える時に使う「やすり」のこと。自爪や人工爪の表面を整えるときにも使用する
- ネイルで使用するファイルには大きく分けて4つの種類に分類され、各種類によって用途も全く違う
- グリット数によって目の粗さが分かる
- 新品のファイルは面取りが必要
- 水洗いできるものとできないものがある
爪切りはダメなのか?ファイルを使う理由とは
爪の長さを整える時、爪切りの方が早くて簡単なのになぜファイルを使わないといけないのでしょうか?特にセルフネイルをしていると利き手と逆の手で作業をするのはとても困難でつい爪切りを使いたくなるものです。
ですが爪切りでバチバチとカットするのは爪に大きな衝撃と圧力による負担がかかります。
爪はもともと3層のプレートでできており、その層の間に油分と水分があることによって1枚の爪になっているのですが、爪切りで切ったままの状態でいると断面から油分と水分が抜けてしまい欠けやすくなったり二枚爪になったりします。
爪切りを使わずにファイルのエメリーボードを使うことで衝撃と圧力を抑えることができ、さらに仕上げに目の細かいファイルを使い整えることで断面が滑らかになり油分と水分が逃げるのを防ぐことができます。
衝撃と二枚爪から自爪を守るために、ジェルネイルをしてない時でもなるべくファイルを使って爪を整えるようにしましょう。
※エメリーボードで長さを整える時は往復がけをせずに一定方向に動かすことで爪への衝撃と負担を抑えられます。
グリット数について
ファイルを選ぶ時に必ずチェックしないといけないものの一つにグリット数というものがあります。
簡単に説明するとグリット数とはファイルの目の粗さを表している数字のことです。
数字が小さいほど目の粗さは粗く、数字が大きいほど目は細かいです。ざらざらとした粗い触り心地のファイルや細かくさらさらとした触り心地のファイルなど、実際にファイルを触ってみると違いがよく分かります。
グリットは「G」で表され、ファイルのパッケージもしくはファイル自体に直接【数字+G】で表記されています。
ネイル全般では主にグリット数100~4000Gのファイルが用途によって使い分けられていますが、セルフネイルをする際は主に180G~240Gのファイルを使います。
また、ファイルは大きく分けて4つの種類に分類されますので、ファイルを購入するときはグリット数とファイルの種類の両方を確認して選ぶようにしましょう!
4つの種類分けについて
ネイルで使用するファイルには大きく分けてエメリーボード・アクリルファイル・スポンジファイル・シャイナーの4つの種類に分けられます。
使い道もそれぞれ異なり間違ったファイルを使うと自爪を傷めてしまいますので、各種類の違いを知っておきましょう!
エメリーボード
エメリーボードはブラックファイルとも呼ばれ、爪の長さや形を整える時に使用します。(爪の表面には使用しない!)
4種類のファイルの中でも一番薄く、木や紙にやすりを貼りつけて作られているので水洗いはできないものがほとんどです。薄いので皮膚に近い場所も際まで届きやすく整えやすいです。
グリット数は主に100~280Gの範囲内のものが多いですが、まずは180Gを1本用意しましょう。さらに220~280Gのものもあるとより良いです。
先に180Gの面で長さと形を整え、次に220~280Gの面で再度整えることで削った断面が滑らかに整い、バリと呼ばれる削りカスも取り除くことができます。
裏と表で180Gと220~280Gの2種類が1本になっているタイプも多く、とても便利です。
またジェルネイルの最後の仕上げの時に、引っ掛かりやガタついている箇所を整える時にも薄いエメリーボードを使えば際まで綺麗に整えることができます。
自爪が薄い方は180Gのファイルでは振動が痛く感じることもあります。その場合はあらかじめ220G以上の面を使いましょう。
アクリルファイル
アクリルファイルはゼブラファイルとも呼ばれ、人口爪のスカルプチュアやハードジェルの長さや形、表面や全体のバランスを整える時に使用します。また、ソフトジェルのオフの時にもトップジェル層を削る時に使用します。
エメリーボードよりも厚みがあり、中央にプラスチックの板が入っています。
アクリルファイルは使用後に水洗いが可能です。ファイルの形状もひし型や三日月型など様々ありますので自分の使いやすい形を選んで大丈夫です。
グリット数も粗いものから細かい数値まで様々あり用途によって使い分けられますが、セルフネイルで使用する時は180G以上が良いでしょう。
(100Gや150Gのファイルはとても粗くよく削れるため、自爪を傷める可能性がありセルフネイルではおすすめしません。)
また、アクリルファイルは人口爪を整える時にのみ使用し、自爪を整える時には使用しないようにしましょう。
アクリルファイルは硬さと厚みがある分、削る時に圧がかかりとてもよく削れます。自爪に使うには負担が大きく、爪を痛めてしまいますので使用しないようにしましょう!
スポンジファイル
中央にプラスチック板が入っており、厚みのあるスポンジ素材で作られたクッション性のある柔らかいファイルです。
スポンジバッファーと呼ばれることもあり、水洗いできるファイルです。
エメリーボードで自爪の長さと形を整えた後にスポンジファイルで再度整えることで、バリと呼ばれる削りカスを綺麗に取り除くことができ、滑らかに整えることができます。
また、ジェルネイルのプレパレーション(下準備)の時にも自爪の表面をサンディングする時に使用します。
100G、180G、200G以上のものなどありますが、セルフジェルのプレパレーションでサンディングをする時は180G(もしくは180G以上)にしましょう。
同じグリット数でもアクリルファイルと比べるとスポンジファイルの方が柔らかいため爪へのあたりも優しくつい油断してしまいますが、しっかり削れています!削りすぎないよう気をつけましょう!
シャイナー
シャイナーはジェルネイルでは使用することがないですが、自爪や人工爪のスカルプチュアの表面をピカピカに磨き上げてくれるファイルです。
シャイナーはグリット数の表記がないものがほとんどですが、大体はグリット数600~1000Gと3000~4000Gの2面で作られていることが多く、先に600~1000Gの面で爪表面全体を整えた後に3000~4000Gのつるつるした面でこすりあげるとトップコートを塗ったようにピカピカになります。
※シャイナーは触った感じではとても細かくさらさらしているのであまり削れないだろうと思われがちですが、短期間に何度も使用すると確実に自爪が薄くなります!やり過ぎには気を付けましょう。
お手入れ方法①【下準備の面取り】
ファイルのお手入れ方法はあまり知られていないですが、新しいファイルを使う時とても大切な「面取り」という下準備が必要です!
新しいファイルを使う時には最初に必ず行いましょう!
面取りとは
新しいファイルを触ってもらうとすぐに分かりますが、新品のファイルは周りの角がとても鋭く痛いです。
この状態のままファイルを使うとファイルが皮膚にあたった時に出血してしまい、皮膚を傷つけてしまいます。
万が一ファイルが皮膚にあたってしまってもダメージを最小限に抑えられるよう、ファイルの角を削って滑らかにする作業を「面取り」と言います。新品のファイルを使う時には毎回一番最初に必ず行うようにしましょう!
面取りのやり方
面取りの方法はとても簡単!使い古したファイルで新しいファイルの角にやすりがけをし丸く滑らかにするだけです。
その為にも使い古したファイルはすぐに捨てたりせず、残しておきましょう。
※アクリルファイルだけでなく、エメリーボードやスポンジファイルも同様に面取りが必要です。
セルフネイルが初めて、使い古したファイル手元にない・・・という方は1本多めにファイルを用意し、面取り用ファイルにしてしまいましょう。180GでOKです。
ファイルの面取りだけでなく、ウッドスティックが汚れたり摩耗した時にも面取り用ファイルで削り直すことで綺麗な状態のウッドスティックに整えることができます。
また全てのファイルは消耗品ですので永遠に使い続けることはできません。何度も使い続けていると摩耗していることに意外と気づきにくく、まだ削れるからといつまでも使ってしまいがちに…。ですが摩耗しているファイルを使い続けると各工程において必要な削りが十分にできず、さらには削る作業に時間がかかったりジェルが浮く原因にもなります。
ファイル交換時期の目安- ファイルの下地が見えてきている
- ファイルに印字されているロゴやグリット数がほとんど消えている
- 新しいファイルと触り比べると明らかにざらざら感が違う
お手入れ方法②【使用後のお手入れ法】
ファイルは摩耗するまで繰り返し使用できますので衛生的に保管することも重要です。
洗えるファイルはウォッシャブルファイルといい、アクリルファイルやスポンジファイルがそれにあたります。エメリーボードは木や紙の板にやすりを貼り付けて作られているため、水洗いはできません。
ですが水洗いできないファイルでも清潔に保つため、使用後は下記工程にてお手入れを行いましょう。
使用後のファイルのお手入れ方法
《エメリーボードなど水洗いできないファイルの場合》
用意するもの
ダストブラシ
消毒用エタノール(スプレー容器に入れる)
- 使用後、ダストブラシを使ってエメリーボードについている粉(ダスト)を払い除く
- スプレーボトルに入れた消毒用エタノールをエメリーボードの両面に満遍なく振りかける
- 両面が乾燥できるよう壁などに立てかけて乾かす
使用後のファイルのお手入れ方法
《水洗いできるウォッシャブルファイルの場合》
用意するもの
ダストブラシ
ネイルブラシ(歯ブラシでもOK)
消毒用エタノール(スプレー容器に入れる)
ペーパータオル
- 使用後、ダストブラシを使ってファイルについている粉(ダスト)を払い除く
- 水道水で洗い流しながらネイルブラシ(なければ歯ブラシでも代用OK)でファイルの両面を洗う
- ペーパータオルで軽く水分を拭き取り両面が乾くように壁などに立てかけて乾燥させる
- 乾いたらスプレーボトルに入れた消毒用エタノールをファイルの両面に満遍なく振りかける
- 壁などに立てかけて両面をしっかり乾燥させる
ファイルの共用はせず衛生的に保管を
家族で同じファイルを共用したり、友人にネイルをしてあげる時に自分のファイルを共用していいものなのか?疑問に思う方も多いと思います。ですが共用はせずに各自専用のファイルを用意するようにしましょう。
また、手の爪と足の爪に使用するファイルも別々に用意したほうがいいです。
水虫やカビが原因のグリーンネイルなど、爪トラブルは目では見えない雑菌によるものも多いです。
他の人とファイルを共用したり手と足のファイルを共用することによってそれらの感染を招かない為にも、感染対策としてファイルは各自別々で用意するようにしましょう!